平野神社で藪椿の巨木群を探す~椿と桜のコラボレーション

6.4.6撮影

 平野神社は、西大路通今出川通との交差「北野白梅町」を過ぎて、500メートルほど北上したところに、東を西大路通、南を上立売通に面して、およそ200メートル四方の境内を有しています。

 平安遷都に遡る由緒ある神社で、早咲きの「魁(さきがけ)桜」をはじめ、桜の名所として有名です。

桜の時期は多くの人で賑わいます。夜桜が有名です。

 令和6年4月の桜満開の様子です。左の桜は、平野神社発祥の枝垂桜「魁(さきがけ)桜」です。名前の通り、この桜から京の花見が始まるとされています。

 これも平野神社発祥の「寝覚」。緑の若葉と同時に咲きますが、白と薄緑が絶妙に混じり合っていますね。

 本殿そばには、堂々たるクスノキの御神木があります。

 樹齢は約400年。幹の周囲5メートル、葉張は30メートルに及んでいます。御神域の独特の厳かな雰囲気の中、どっしりとした幹と四方に伸びる太い枝の広がりを見上げると、風格とこの地の歴史を感じさせます。


 私のお目当ては、藪椿の巨木群です。神社の方に伺うと、境内四方を囲む塀沿いに散在しているが、南門付近にまとまってありますよとのことでした。

 早速、南門付近を探してみると・・・、ありました!

 幹周が1メートルを超えていそうなものを何本も見ることができました。*1

 椿は、根本近くで枝分かれするものが多いのですが、ここの藪椿は、直幹で空高く伸びているものが多く、目を引かれました。木肌は、灰白色のきめ細かな、椿らしい独特の質感です。

 塀をはるかに超える高さで生い茂っていますので、開花時には、塀沿いからは、空一面の花を見上げる感じかもしれません。


 南門の落ち着いた門構えと、椿の花とは、味わい深くマッチンクしそうです。

 南門はメインの出入り口ではありません。南門前を走る一方通行の狭い上立売通をはさんで、界隈は、閑静な雰囲気です。「大通りから一筋入ると、都会の喧騒を忘れる」という感覚ですね。

慶安4年(1651年)に御所の旧門を下賜されたものです。なかなか風情のある門です。

(2023.3.11追記)

 近くに来たついでに、平野神社くるりと一周してきました。

 南門脇の椿の巨木が開花していました。

 こんなに風格のある巨体に咲く花は可憐に見えますね。

 かなりの老木だろうこともあり、蕾の様子からも、全木、紅く染まることはないのかもしれません。

 花見客を迎える紅白幕と紅い花がマッチしています。

 北側の塀越しからの椿です。桃色に近い薄紅の藪椿ですね。散姿も風情があります。

 あまり人通りがなく、人知れず咲いているという感じです。

6.4.6撮影。白い藪椿もありました。

 南門西の群落のいくつかが開花。こちらは朱色に近い紅色の椿が、日の光を受けて、より鮮やかに見えます。

 













 

 

 

 

 

*1:クスノキの太さとは比較になりませんが、椿としては、これでも100年、200年は超える樹齢だそうです。