平野神社は、西大路通と今出川通との交差「北野白梅町」を過ぎて、500メートルほど北上したところに、東を西大路通、南を上立売通に面して、およそ200メートル四方の境内を有しています。
平安遷都に遡る由緒ある神社で、早咲きの「魁(さきがけ)桜」をはじめ、桜の名所として有名です。
令和6年4月の桜満開の様子です。左の桜は、平野神社発祥の枝垂桜「魁(さきがけ)桜」です。名前の通り、この桜から京の花見が始まるとされています。
これも平野神社発祥の「寝覚」。緑の若葉と同時に咲きますが、白と薄緑が絶妙に混じり合っていますね。
本殿そばには、堂々たるクスノキの御神木があります。
樹齢は約400年。幹の周囲5メートル、葉張は30メートルに及んでいます。御神域の独特の厳かな雰囲気の中、どっしりとした幹と四方に伸びる太い枝の広がりを見上げると、風格とこの地の歴史を感じさせます。
私のお目当ては、藪椿の巨木群です。神社の方に伺うと、境内四方を囲む塀沿いに散在しているが、南門付近にまとまってありますよとのことでした。
早速、南門付近を探してみると・・・、ありました!
幹周が1メートルを超えていそうなものを何本も見ることができました。*1
椿は、根本近くで枝分かれするものが多いのですが、ここの藪椿は、直幹で空高く伸びているものが多く、目を引かれました。木肌は、灰白色のきめ細かな、椿らしい独特の質感です。
塀をはるかに超える高さで生い茂っていますので、開花時には、塀沿いからは、空一面の花を見上げる感じかもしれません。
南門の落ち着いた門構えと、椿の花とは、味わい深くマッチンクしそうです。
南門はメインの出入り口ではありません。南門前を走る一方通行の狭い上立売通をはさんで、界隈は、閑静な雰囲気です。「大通りから一筋入ると、都会の喧騒を忘れる」という感覚ですね。
(2023.3.11追記)
南門脇の椿の巨木が開花していました。
こんなに風格のある巨体に咲く花は可憐に見えますね。
かなりの老木だろうこともあり、蕾の様子からも、全木、紅く染まることはないのかもしれません。
花見客を迎える紅白幕と紅い花がマッチしています。
北側の塀越しからの椿です。桃色に近い薄紅の藪椿ですね。散姿も風情があります。
あまり人通りがなく、人知れず咲いているという感じです。
南門西の群落のいくつかが開花。こちらは朱色に近い紅色の椿が、日の光を受けて、より鮮やかに見えます。