西陣の風情溢れる「雨宝院」の椿たち

 雨宝院は、通称「西陣聖天宮」とあるように、京都西陣の真ん中にある、真言宗のお寺です。

 今出川通智恵光院を北に上がり、上立売通を西に入ると、通りの南側に面して、本隆寺築地塀が続く、何とも京都らしい狭い路地となりますが、その北側に、門が開いています。

 
 
弘法大師を開基とし、皇城鎮護の伽藍として栄えましたが、京都のお寺の例にもれず、応仁の乱で荒廃し、天明の大火にも遭い、その後、何とか、この堂宇が再興されたようです。

 

 雨宝院は、桜の隠れた名所としても知られていますが、椿も多く植えられています。

 年代物というものはないのですが、境内の至る所にあり、親切に、品種名の札がついているものもあります。

左から、「あけぼの」、「蝦夷(錦?)、「大仙」、「斑入りわびすけ」

 3月半ばになると、境内の椿も一斉に咲きそろい始めます。これは「あけぼの」です。

 「蝦夷錦」は、咲き分けで、紅花も咲いています。

 成木になると、咲き分けやすいようです。

 黒みを帯びた紅色が美しい。写真よりももっと色濃く、少し妖気をも感じさせるような魅入られる色合いです。

 けがれなき白。

 

 10月も末になると、一部の椿は咲き始めていますし、蕾も膨らんでいるものが多いですね。次の写真の椿は、「紅荒獅子」かな。

 案内板に、お花は、地元のボランティアの方々もお世話をされているような記載があり、地元に根付き、愛されているお寺なのだと思います。

 

 有名な桜も、多くの種類のものがありました。「御衣黄」という黄緑色の花をつける珍しい八重桜があるそうですが、見落としてしまいました。

 「時雨の松」が、境内を、天蓋のように覆っています。

 左右に色の分かれた面白い花です。あしゅら男爵のようなというのは古いですね。

 「草紙洗」のような模様ですが、斑の入らない花の方が多かったです。