平岡八幡宮の藪椿を見上げる

 京都市内から、紅葉の高雄、そして旧・京北町へと連なる国道162号線、いわゆる「周山街道」を、福王子から10分程度車で走ると、平岡八幡宮の鳥居と参道が見えてきます。

 この平岡八幡宮における故事では、『願い事をすると、白玉椿(白い花の椿)が一夜で花開き、願いが成就した』とされており、これが「白玉椿伝説」と呼ばれています。

 今年の京都も猛暑が続き、先日訪れたときも、午前10時とはいえ、たまらない暑さ。

 こんな時期なので、誰もいない境内を歩き、社殿に向かうと、前右手に、見上げんばかりの、大きなやぶ椿がありました。立札によると、樹齢最大500年ということで、そうであれば、室町時代から生きながらえている椿ということになります。

 地上近くに、いくつかの瘤があり、幹に面白い表情を出しています。社殿に向かって左上方に傾いで伸び、太い枝が岐れながら、大きな樹冠を形成しています。写真でおわかりのように、かなりの樹高に達しています。


 大きな瘤の下のところで、幹周を測ってみると、115センチを超えていました。

 立札には、「花弁が三角形に開き始め、しべ(花の中心にある、雌蕊と雄蕊のこと)が赤みを帯び、一般の藪椿とは異なる珍種」と書かれています。また、シーズンに訪れ、どんな珍しい花なのか探ってみたいと思います。

(2023.4.29追記)

 椿のシーズンになかなか訪れることができずに、4月末となり、京北に行った帰りに立ち寄りました。この大椿には、数えるほどでしたが、最後の花が咲いていました。 確かに、しべが赤味を帯びていますね。

 この椿以外にも、山手側には、そこかしこに、大きなやぶ椿が生えていました。

 参道左手に、「椿の小径」と名付けられた脇道がつくられています。ここには、多種の椿が植えられており、通り抜けも楽しみです。

 宮司さんは、椿の開花時期は種類に応じて、長期にわたるので、長く楽しめるとおっしゃっていました。

(2023.4.29追記)

 「椿の小径」にわずかに咲き残っていたものです。

 伝承の白玉椿こと、「しだれ八重白椿」~一水椿の樹齢200年を超える古木は、社務所横にあります。

 「絵馬」には、この白玉椿が描かれています。いかにも御利益がありそうですね。

(2023.4.29追記)

 「白玉椿」の公開時期は終わっていましたが、一輪ざしに活けられていました。兎の鈴とよく似合います。

 最後の「花手水」を見せていただきました。これで、今シーズンの椿も見納めです。

 季節に応じた花の福鈴もとても可愛らしいものでした。折角ですので、椿の福鈴を買わせていただきました。

 宮司さんは、今年の暑さと乾燥は尋常ではないので、少し、もみじの色が変わってきているものがあるとおっしゃっておられ、確かに、枝先が、もう色づいているものも見かけました。

手前側のモミジの先の方が、少し色が変わってきていますが、紅葉の美しさとは違いますね。

(2023.4.29)新緑の平岡八幡宮です。

左は、御神木のツブラジイ(高さ18メートル、幹周5.1メートル。樹齢600年)。