「余の花はみな末寺なり妙蓮寺」宗祇

 「妙蓮寺椿」の名の由来の寺、本門法華宗大本山「妙蓮寺」は、西陣を東西に走る寺之内通に北面し、京都風に言うと、上京区寺之内通大宮東入ル(寺之内通堀川西入ル)にあります。


 豊臣秀吉は、京のまちの改造にあわせて、寺院を移転させ、今に至る「寺院街」を形成しましたが、そのうち、市街地の東側にあるのが、いわゆる「寺町」、そして北部にあるのが「寺之内」です。

 寺之内通は、その名のとおり、「寺之内」を通る、狭いながらも、歴史と風情を感じる通りです。

 連歌師・宗祇(1421~1502)が称賛した「妙蓮寺椿」。

 この時代から、名花として、評価が定まっていたということですね。

 先代の「妙蓮寺椿」は、塔頭玉龍院にありましたが、昭和37年(1962)の火災によって、残念ながら焼失してしまいました。

 今は、寺務所前に、二代目が植えられています。

可愛らしい実がなっています。


 お寺の庶務の方から、いろいろとお話をうかがいました。

 寺務所奥の庭には、より見ごたえのある「妙蓮寺椿」があるとのこと。

 例年、椿の咲くころに、庭園、宝物殿の観覧とセットになった特別展が開催されるので、そのときに再訪しようと思います。

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 「妙蓮寺椿」は、早咲きなので、11月ごろから咲き始めるようです。

 私の鉢植えのものは、「絞り妙蓮寺」ですが、確かに、一番早くに咲き始めるものの一つです。

 数年前までは、「妙蓮寺椿」の苗を販売されていたそうで、京都だけでなく、遠方からも買い求めに来られる方もおられ、毎年、好評につき完売だったそうです。

 残念ながら、今は、販売をやめられたとのことです。

全国的にみても数少ない本格的な袴腰鐘楼

 この鐘楼の横にある御会式桜(おえしきさくら)が、秋から春にかけて咲いているとのことで、「妙蓮寺椿」の開花時期と重なり、競演が長く見られるようです。