京北・常照皇寺の「御車返しの桜」と黒田の「百年桜」

 令和7年4月19日の土曜日、桜の見納めに、京北に車を走らせ、満開の常照皇寺の「御車返しの桜」と、黒田の「百年桜」を見てまいりました。 

 前週から急に気温が高くなる日が続き、京北の桜も一気に花開き、ピークを迎えたようです。

 国道162号線を、既に散った高雄の桜を見つつ北へと進み、京北トンネルを過ぎると、まだ、桜の残る京北の里の光景が目に入ってきました。

 まずは、常照皇寺へと向かいます。大堰川沿いに、国道477号線を走ると、堤防に並ぶ桜、集落の合間に見える桜などなど、車窓に、いろいろな桜のシーンが流れていきます。桜が、私たちの暮らしに根付いているのがよくわかります。ここが故郷というわけではないのですが、典型的な日本の原風景のようで、どこか懐かしさを感じます。

 2年ぶりの常照皇寺。前回訪れたときはGWで、もう葉桜だったのですが、今回は、何とか「御車返しの桜」には間に合うことができました。上品なうす桃色の桜の大木が、方丈の前庭を覆いつくさんばかりに咲き誇っています。塀に囲まれた園内は、門に連なる石畳の道、桜を観るための回遊路以外は最小限の石組と苔庭のみ。まさに桜の一人舞台にふさわしい庭の造りです。

 広縁から見上げるも、方丈内から窓越しに眺めるもよし。

 さすがに、この時期は、訪れる方は普段よりも多いとはいえ、洛中の寺社とは比較になりません。観光バスツアーの一団が去った後、畳に座り、この景色に静かに見入っておりました。

 方丈奥の桜園の「左近桜」、光厳上皇お手植えと伝わる「九重桜」は、残念ながら、「落花盛ん」で、満開の姿を見られず。風に、花びらが舞い、地面を点描のように飾っていました。花は、次の機会を楽しみにしておきましょう。

 帰途、門の上に見える「御車返しの桜」。この名前は、後水尾天皇が、ここを訪れた時に桜の美しさに何回も車を返して別れを惜しまれたとことから名付けられたと伝えられています。この石段を車で通ることは無理とは思いますが、もしかしたら、門を出て、振り返られて、再度戻られたのかもしれません。

 さて、常照皇寺を訪れる目的はもう一つ、常照皇寺藪椿を探すことで、今回は、上皇墓所である山国陵へと足を運びました。

 ところどころに藪椿は見かけましたが、暗紅色の特徴のある椿はなかなか見当たりませんでした。山門傍の一本と、谷筋にあった一本がその系統らしき花を咲かせていました。立ち入りが許されない御陵のうちに、密かに咲いているのでしょうか。

 常照皇寺を出て、再び、国道477号線を東に黒田へと向かいます。

 「さくらまつり」が開催され、賑やかで、何となく晴れやかな雰囲気です。

 水曜日の開花情報では、3分咲きのことで、この暖かさでどこまで花が開いているかなと期待していましたが、どんぴしゃりの満開でした。

 何度か見ているのですが、これほど綺麗に咲きそろっているのを見るのは初めてです。金曜日の一日で蕾が一気にほころび、週末に見ごろを迎えたようです。よい天気にも恵まれて、まさに春爛漫でした。

 「オーライ黒田屋」さんで、鯖寿司を頬張りながら、例年よりも遅い開花を存分に堪能し、よもぎ餅と黄粉飴をお土産に家路へとつきました。