
“京の底冷え”といいますが、とりわけ「大寒」の時期には寒さがひとしおつのります。
日中も気温が上がらなかった2月1日ですが、「妙蓮寺椿」は咲いているかしらんと、3年ぶりに妙蓮寺へと。

「御会式桜」がほろほろと花開く参道を進むと、東側に並ぶ塔頭前の椿がいくつかほころび、早咲きの妙蓮寺椿の花も見ることができました。




玄関へと入っていくと、受付の方が「今日は、長谷川等伯一派の襖絵は見られないのですが、よろしいですか」と聞かれました。
この重文の作品を収蔵している宝物殿は、月に一度の公開なので、襖絵を目当てに訪ねてきて、その日じゃなくて残念がる人も多いんです、とのことでした。
私の本命は、「妙蓮寺椿」なので入らせてもらうと、受付の方が、親切、丁寧にガイドしていただきました。
奥書院では、幸野豊一氏の手になる、四季を描いた新しい襖絵を観覧することができます。幸野豊一氏は、近代京都画壇の重鎮で竹内栖鳳や上村松園らを育てた幸野楳嶺の孫にあたる画家で、5年の歳月をかけて完成されたとのことです。




私は、秋の図の楓と芒の色合いと風情が、部屋と庭の雰囲気とよくフィットしていていると思いました。
描かれている楓は、妙蓮寺の寺紋「三つ葉楓」にちなんだものとのこと。公家・今出川家の家紋だそうです。美しい紋ですね。

奥書院と表書院との間の中庭に咲く「妙蓮寺椿」。幸野豊一氏も、奥書院の床の間の天袋にこの椿を描いています。





寒波が連続して押し寄せてきたせいか、花の咲くのが遅れていたとのこと。やはりそのせいでしょうか、咲く花はわずかで、書院の障子窓からの花景色を楽しむにはまだ早かったようです。
次回、宝物殿が開くのは、3月2日。この頃には、「妙蓮寺椿」も見頃になっていることでしょう。