
秋の七草の一つ、「フジバカマ」は、ちょうどこの時期、可憐な、淡い赤紫色の小花を密集させ、ブロッコリーのような姿に咲いています。ほのかに漂う香りは、「桜餅」の香りと言われますが、確かにそのとおりでした。
昔は、河川敷などで普通に見られていた身近な花でしたが、いつの間にやら姿を消し、京都の原種は絶えてしまったとされていました。
しかし、1998年に、大原野灰方の十輪寺のそばにある「明治池」のほとりに、わずかに生き残っているのが発見され、これをきっかけに保全運動が広がり、株分けにより、市内各所で、原種のフジバカマが育てられ、見ることができる機会も増えています。
ただ、フジバカマは交雑しやすいので、京都の純種をキープするために、種ではなく、差し芽で増やすとともに、他種の京都への流入と、京都種の持ち出しを防いでいるとのことです。
ということで、大原野神社や、洛西ニュータウンの小畑川中央公園に群れ咲くフジバカマは、本家・嫡流のようなものですね。

フジバカマといえば、「アサギマダラ」。
名前のとおり、鱗翅をほのかに浅葱色に染める美しい蝶です。
網目もくっきりし、上品で、凛とした雰囲気があります。




近づいてもあまり逃げもしないのは、千キロ以上も渡りをするだけに、肚の据わった逞しさを持っているのでしょうね。
「小畑川中央公園」で写真を撮っていた方からは、ここしばらく毎日のように見に来ていたが、今週になってようやく現れたと聞きました。





ツマグロヒョウモンです。

まだ日中は30℃近い日々が続きますが、さすがに、日差しも和らぎ、秋めいた雰囲気も出てきています。
樹々が色づくようになると、今年も待望のサザンカ、秋咲の椿が咲き始めます。